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詩城の旅びと

レ・ボーに行ってみたいと思ったのは,横浜のT先生の紹介がきっかけでした。2006年,入社30年記念で一週間のリフレッシュ休暇が取れることになり,6月に妻とフランスに行くことにしました。どのような場所でボーキサイトが発見されたのかに興味があり,レ・ボーについて調べていると廃墟になった城跡がでてきて,この舞台はどこかでみたような既視感があり,これは何だろうととても気になりました。

しばらく気になって過去の小説や映画などを思い出していくうちに,松本清張の小説にでてきたのではと思いました。以前,松本清張の小説で,フランスやドイツを舞台にした小説がありましが,題名が思い出せない。たまたま2006年5月の軽金属学会春期大会が小倉の北九州国際会議場で開催されることになっていて,ここは松本清張が生まれた場所で何かつかめるかもしれないと思って学会に参加しました。すると小倉城内に松本清張記念館があることがわかり,お昼の時間に学会を抜け出して駆けつけた次第。清張の全集があり,早速関連の小説を探し出して,「詩城の旅びと」に行き着きました。もう手持ちの本はないものと諦めていたら,自宅倉庫の段ボールから,当時購入した本(写真)が見つかりました。日本放送出版協会発行,定価1200円で,平成元年(1989)発行となって,2006年から遡って17年前購入した本です。タイトルに惹かれて購入したように覚えています。内容はほとんど覚えていませんでしたが,断崖絶壁の城壁だけは記憶に残っていました。内容は旅行前に改めて読み直した次第。