純アルミニウムあるいはアルミニウム合金を室温で圧延して強度を高めることができる。これを加工硬化と呼んでいる。この加工硬化はアルミニウム中に含まれる不純物の鉄原子や固溶したマグネシウム,銅,亜鉛などの原子が加工によって導入された転位と反応してアルミニウムと強固な結合(共有結合)ができることによって生じる。
圧延ままの組織を左上に示す。この材料を高温で焼鈍すると導入された転位が消滅し,転位セル,亜結晶粒を形成し,新たな結晶粒が形成される。この新たな結晶粒のことを再結晶と呼んでいる。この再結晶粒は旧粒界付近に形成されやすい(右上写真)。さらに温度が上がると全面が再結晶粒となる(左下写真)。さらに温度が上がると結晶粒同士が繋がり結晶粒が粗大化する(右下写真)。
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